楽天モバイルの通信品質について、「つながりやすい」「通話が途切れる」といった評価は、利用者が使用しているスマートフォンの機種が、楽天モバイルの定める「バンド構成」に適切に対応しているかどうかに大きく左右されます。特に、無料通話アプリの「楽天Link」は、通信の安定性が通話品質に直結するため、バンドの理解は非常に重要です。
本記事では、通信技術の基礎知識から楽天モバイルの主要バンド(Band3、Band18、Band28など)が持つ物理的な特性、そしてそれがユーザーの通信体験にどう影響するのかまで、専門的な内容を誰にでもわかりやすく解説します。この記事を読めば、あなたが現在使っている、またはこれから購入する端末が、楽天モバイルで最大限の通信性能を発揮できるかを判断できるようになります。
楽天モバイルのバンド構成とは?通信技術の超基礎
「バンド(Band)」とは、スマートフォンが基地局と電波を送受信するために国から割り当てられた、特定の周波数帯域のことです。この周波数帯域が異なれば、電波の性質(飛び方、壁の貫通力など)が変わり、通信の安定性や速度に大きな影響を与えます。
そもそも「バンド」とは何か?
携帯キャリアは、国から免許を得て特定の周波数帯域を利用しています。例えるなら、ラジオやテレビのチャンネルのようなものです。キャリアごとに使う「チャンネル(バンド)」が異なり、スマートフォン側がそのチャンネルに対応していなければ、電波を受信できず、圏外となってしまいます。楽天モバイルの通信品質を理解するには、この「バンド構成」が第一歩となります。
高周波数帯と低周波数帯の物理特性の違い
バンドは周波数の高さによって大きく性質が異なります。
- 高周波数帯(例:Band3 / 1.7GHz帯、n77 / 3.7GHz帯など):
- 特徴: 一度に運べる情報量(通信速度)が非常に大きく、高速通信が可能。
- デメリット: 電波が直進しやすく、壁や障害物に遮断されやすい(浸透性が低い)。遠くまで届きにくい。
- 低周波数帯(例:Band18 / 800MHz帯、Band28 / 700MHz帯など):
- 特徴: 電波が遠くまで届きやすく、建物の裏や壁、地下にも回り込みやすい(浸透性が高い)。
- デメリット: 一度に運べる情報量が少なく、高速通信には限界がある。
携帯キャリアは、この特性の異なるバンドを組み合わせて(キャリアアグリゲーションなどを利用)、広範囲のエリアと高速通信の両立を目指しています。
楽天モバイルの主要バンド徹底解説と通信への影響
楽天モバイルの通信品質は、主に以下の3つのバンド(LTE)と1つのバンド(5G)に依存しています。
1. Band3(1.7GHz帯):楽天自社回線の主軸
- 役割: 楽天モバイルの自社回線(楽天回線)の主軸であり、大都市圏や主要エリアの高速通信を担っています。
- 特性: 高速通信が可能で、データ無制限のメリットを最大限に享受できます。しかし、高周波数帯のため、基地局から離れると電波が急激に弱まり、建物内や地下では電波が届きにくい傾向があります。
- ユーザーへの影響: このバンドに対応していないスマホは、楽天回線エリアでも圏外や通信不安定になり、パートナー回線(Band18など)に頼るしかなくなります。
2. Band18/Band28(700MHz~800MHz帯):プラチナバンドの役割
これらは一般に「プラチナバンド」と呼ばれる低周波数帯です。楽天モバイルは、auとのローミングでBand18(auのプラチナバンド)を利用してきましたが、現在は自社で獲得したBand28(700MHz帯)の整備を急速に進めています。
- 役割: Band3の弱点である「屋内」や「地方」でのエリアカバーを担う、生命線とも言えるバンドです。
- 特性: 電波が遠くまで届き、建物の壁を通り抜けやすいため、地下やビルの奥まった場所でも安定した通信を提供します。
- 今後の期待: Band28の整備が完了すれば、都市部や地方に関わらず、楽天モバイルの通信安定性が劇的に改善されると期待されています。
3. n77(3.7GHz帯):5Gの主要帯域
- 役割: 楽天モバイルが提供する5Gサービス(Sub6)の主要帯域です。
- 特性: 超高速・大容量通信が可能ですが、Band3よりもさらに高周波数帯のため、提供エリアが狭く、現時点では特定の都市部や駅周辺などに限定されています。
バンド構成で通信品質が変わる科学的理由
なぜ、スマホが対応するバンドによって、つながりやすさが劇的に変わるのでしょうか。これは電波の物理的な性質に起因します。
高速通信(Band3) vs. 安定通信(Band28)の役割分担
携帯通信の設計は、常に「高速化」と「エリアカバー」という相反する二つの目標を両立させるために行われています。楽天モバイルの場合、役割分担は以下のようになります。
- 高速化(Band3): データ通信の容量を大きく確保し、Webサイトの読み込みや動画視聴を快適にする。しかし、電波がすぐに減衰するため、基地局を密に建てる必要がある。
- 安定化(Band18/28): 通話やメッセージの送受信、最低限のデータ通信を途切れさせないよう、広範囲と屋内をカバーする。通信速度はBand3に劣るが、少ない基地局で広いエリアをカバーできる。
プラチナバンド(Band28)に対応していないスマホは、この「安定化」の保険を失うことになり、Band3の電波が届かない場所では即座に圏外となってしまうのです。
楽天モバイルが使えるスマホ条件:バンド対応確認の重要性
楽天モバイルで快適に利用できるスマホの条件は、「主要バンドすべてに対応していること」に尽きます。特に注意が必要なのが、SIMフリースマホや中古の端末です。
国内スマホと海外スマホの対応バンドの違い
- 国内キャリア販売のスマホ: ほとんどの機種が、ドコモ、au、ソフトバンクの主要バンドに幅広く対応しているため、楽天モバイルのBand3、Band18/28にも対応していることが多いです。
- 海外製SIMフリースマホ: 海外ではBand3は一般的ですが、日本のプラチナバンドであるBand18(au)やBand28(楽天)に対応していないケースが多々あります。これらのバンドに非対応だと、通信が不安定になるリスクが極めて高くなります。
自分のスマホが楽天モバイル対応か確認する方法
最も確実な方法は、楽天モバイル公式サイトの「対応製品ページ」で機種名を検索することです。このページでは、以下の項目が確認できます。
- 4G(LTE)対応バンド: Band3とBand18/28に対応しているか。
- 5G対応バンド: n77(Sub6)に対応しているか。
- 通話・データ通信動作保証: 楽天モバイル側で動作確認済みであるか。
特にSIMフリースマホや中古機を使う場合は、メーカーの仕様書と照らし合わせて、Band3とBand28(今後の主要バンド)の両方に対応しているかを厳しくチェックすることが不可欠です。
楽天モバイル×auローミングの仕組みと現在の状況
楽天モバイルの立ち上げ初期から、エリアカバーの鍵を握っていたのが、auとのローミング(提携)でした。
パートナー回線エリアではどのバンドが使われている?
auとのローミングでは、auが保有するBand18(800MHz帯)が利用されてきました。これはプラチナバンドであるため、自社回線(Band3)の整備が遅れていた地方や山間部で、楽天モバイルのエリアを広げる上で重要な役割を果たしました。
ローミング終了エリアでの通信影響とBand28への移行
楽天モバイルは自社回線の整備が進んだ地域から順次、auとのローミング(Band18)を終了しています。ローミングが終了すると、その地域のスマホは強制的に自社回線(Band3)に切り替わります。
- 影響: Band3は屋内や地下に弱いため、ローミング終了直後は、建物内で一時的に電波が弱まったり、通信が不安定になったりする可能性がありました。
- 解決策: この問題を根本的に解決するのが、楽天モバイルが自前で整備を進めているプラチナバンドのBand28です。Band28がBand18のカバー範囲を引き継ぐ形で拡大していくことで、ローミング終了エリアでも安定した通信環境が提供される見込みです。
楽天モバイルを快適に使うためのバンド確認ポイント
最後に、楽天モバイルを最大限に活用するために、ユーザーが事前に準備すべき最終チェックポイントを解説します。
楽天モバイル推奨端末の選び方
最も簡単で確実なのは、楽天モバイルが公式に販売する端末を選ぶことです。これらの端末は、楽天回線の主要バンド(Band3、Band28)はもちろん、auのパートナー回線(Band18)も含め、すべての必要バンドへの対応と、楽天Linkの動作保証がされています。
- 5Gを重視する場合: Band3/18/28に加えて、n77(5GのSub6帯域)に対応した機種を選びましょう。
- コストを重視する場合: 楽天販売端末であれば、エントリーモデルでもバンド対応の心配はありません。
SIMフリースマホで使う場合の注意点
中古や海外製スマホを使う場合、以下の3点を徹底確認してください。
- Band3対応: 最低限、これがなければ都市部でも利用が困難です。
- Band18/28対応: 屋内や地方での安定性を確保するために必須です。
- APN設定の確認: 公式端末以外では、SIMを挿入した後に手動でAPN(アクセスポイント名)設定が必要になる場合があります。
設定変更では物理的なバンド非対応を補うことはできないため、購入前のスペック確認が何よりも重要です。
まとめ
楽天モバイルを快適に利用するためには、スマートフォンがどの「バンド構成」に対応しているかを知ることが極めて重要です。
- Band3: 高速通信を担う主役ですが、建物に弱い。
- Band18/28: 屋内や地方の安定性を担保するプラチナバンド。
- n77: 5Gの超高速通信を担う。
特に、Band28の拡大は、今後の楽天モバイルの通信安定性を飛躍的に向上させる鍵となります。現在、Band28対応のスマホを選んでおくことで、将来的に最も安定した通信環境を手に入れることができるでしょう。対応バンドを確認し、あなたの端末が最大限の通信性能を発揮できるように準備しましょう。
楽天モバイルのプラチナバンド展開で、今後さらに通信環境が良くなる見込みです!
みなさんも安心で快適なスマホライフをお楽しみください
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